【150秒の青春】梅花女子大の美しき涙~4年生が残した未来につながる準V

<チアリーディング・第36回学生選手権大会>◇最終日◇12月22日◇高崎アリーナ

梅花女子大RAIDERSが感動の演技を披露した。ディビジョン1競技女子部門で帝京大に次ぐ準優勝。トリプル3基に挑み惜しくも中央が崩れたが、最後まで諦めずひらむきな姿が観衆の心をつかんだ。卒業する4年生とともに流した涙は、とても美しいものだった。

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梅花中高20周年に1300人
全員でゾンビ・デ・ダンス!

〈We Love Cheer! ミニ情報〉

梅花中学・高等学校チアリーディング部の創部20周年記念公演が12月25日、豊中市立文化芸術センターで盛大に行われた。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で大ヒットした「ゾンビ・デ・ダンス」を発案した梅花高卒業生でダンサーの池田舞風さん、体操女子で2016年リオ五輪代表の杉原愛子さんらがゲスト参加。

梅花高の選手たちは梅花オリジナルの技や、ジャパンカップでも挑戦したトリプルを披露。OGや各選手の出身チーム、梅花女子大のメンバーも演技するなど大いに盛り上がった。

本公演だけで満員の1300人が集まり、全員で「ゾンビ・デ・ダンス」を踊るなど、笑いあり、感動ありのイベントになった。

【学生選手権ディビジョン1 競技部門女子決勝成績】


順位チーム得点
1帝京大281.0
2梅花女子大236.5
3日体大236.0
4環太平洋大209.5
5東海大196.0

6位東京国際大、7位西南学院大、8位日大、9位名城大、10位日本女子体育大、11位中京大、桜美林大、12位早大、13位青学大、14位立教大、15位目白大同短大、16位愛知学院大、17位明大、18位上智大、19位専修大、20位フェリス女学院大、21位名古屋外大・名古屋学芸大、22位愛知淑徳大、23位大阪大、24位桜花学園大・名古屋短大、25位愛媛大、26位聖心女子大、27位金沢大、28位甲南大 ※成蹊大と中部大は決勝辞退

【ディビジョン1 競技部門男女混成決勝成績】

1位東京外大、2位日本文理大、3位立命館大、4位九州大、5位熊本大

【ディビジョン1 応援団部門決勝成績】

1位学習院大同女子大、2位明治学院大、3位中央大

自由演技競技ディビジョン1女子決勝 入場する梅花女子大の選手(撮影・たえ見朱実)

自由演技競技ディビジョン1女子決勝 入場する梅花女子大の選手(撮影・たえ見朱実)

RAIDERSのプライド
「We do! We do!」

輪になり、仲間の手を強く握った。

4年生にとって、これがチア人生最後のマット。

静寂の会場にRAIDERSの声がこだました。

「(Who get the win?)

We do! We do!

BWU(梅花女子大) Go!」

私たちならできる!

夢をかなえることができる!

追い続けてきたもの。

それは日本一の頂。

「We do!」

そう叫んだのだ。

挑戦者としての150秒間。

それはとても美しく、感動的な演技だった。

ミスをしてもはい上がる。

絶対に諦めない-。

強い意志を感じることができた。

それは見る者へ伝わった。

梅花はまたしても、勝てなかった。

ただ、心を激しく揺さぶるのである。

なぜだろう。

なぜ、こんなにも感動するのだろう。

それは、本気で日本一を目指そうとする思いが、演技に乗り移っていたから。

大会が終わり、しばらくしてから大学を訪ねた。

その日は2024年の最後の練習があった日。

マットに座り、何か話し合いをしているようだった。

4年生はもういない。

これからRAIDERSはどう進むのか―。

素直な胸の内を聞いた。

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。